高血圧の治療目的で運動する場合のオススメと注意点

健康

高血圧の治療には運動も有効です。血圧の高さによっては医師の指導が必要な場合もありますが、やや高い程度なら運動を生活習慣に取り入れることで血圧の改善が期待できます。また、定期的な運動の習慣は高血圧の予防にもなります。

高血圧には有酸素運動が効果的

高血圧を改善するには様々な方法がありますが、まず試したいのは定期的な運動です。
特に普段体をあまり動かしていない人や肥満の人にはベストな方法と言ってもよいのではないでしょうか。
もちろん、個人差もあるので全ての人に効果があるとはいえないのですが、有酸素運動による血圧の低下は数々の研究で明らかになっています。

有酸素運動とは

有酸素運動とは比較的軽い負荷で長時間運動することです。体内の脂肪を燃焼させます。そのときに酸素が必要になるので有酸素運動といいます。
その反対で無酸素運動というものがあります。
無酸素運動は重い負荷で短時間運動することです。重いバーベルを数回持ち上げること等です。筋肉を増やす効果があります。

効果的な運動量の目安

有酸素運動というとジョギングや自転車、水泳等があります。
ただ、どれも力を入れすぎると有酸素運動ではなく、無酸素運動になってしまいます。
ジョギングのつもりが100m走になってしまいます。
これも体力には個人差があるので一概には言えませんが。
普段運動をしていない人が血圧対策で始める場合には、以下の心拍数を目安にしてください。

年齢心拍数
30代120~125
40代115~120
50代105~115
60代100~110

心拍数とは1分間に心臓が拍動する回数です。手首の動脈に指を当てて脈を数えます。

目安の心拍数になるような強さの運動を30分から1時間、週3回以上行います。
2週間以上続けることで血圧低下が期待できます。

高血圧の人が運動するときの注意点

高血圧治療ガイドラインによると運動療法の対象者はⅡ度高血圧以下で心臓や血管の病気がない人になります。

一般的に高血圧といっても、血圧によってレベルがあります。

Ⅰ度高血圧

最高血圧140~160かつ最低血圧100未満
又は最低血圧90~100かつ最高血圧160未満

Ⅱ度高血圧

最高血圧160~180かつ最低血圧110未満
又は最低血圧100~110かつ最高血圧180未満

Ⅲ度高血圧

最高血圧180以上
又は最低血圧110以上

血圧が高い人は

Ⅲ度高血圧の人、心臓や血管に病気がある人は運動することによって状態が悪化する可能性があります。
運動する前に医師や専門家に相談してください。
また、高齢者の場合も運動療法の前にメディカルチェックが必要です。

治療効果が期待できるオススメの運動は

血圧を下げる効果が期待できるのは有酸素運動ですが、具体的にオススメなのが、

ウオーキングです。

ウオーキングには以下のような利点があります。

・全身運動
・運動に慣れていなくても20分なら続けられる
・歩く速度で負荷を調節できる
・手軽に始められる

ポイントは

・顎を引く
・背筋を伸ばす
・腕を振る
・しっかり地面を蹴る
・歩幅は広めに

ウオーキング以外にも過去に経験のあるスポーツを再開するのもオススメします。
経験があれば、今の自分に合う強度での楽しみ方が分かるでしょう。

ぼくの場合は数年前にステッパーを購入して使用しています。

ウオーキングできない雨の日でも室内で手軽に運動ができるので重宝しています。
最近ではさらにコンパクトで高性能なものがあるようです。

運動による高血圧の予防効果

定期的な運動習慣は高血圧の改善につながると同時に、血圧が正常な方の高血圧予防にもなります。
一般的に年齢とともに血圧は高くなっていきます。
今は正常でも何年後かは高血圧症になっているかもしれません。

運動による高血圧の予防効果としては

・肥満になりにくくなる
・ストレスの解消
・血管の老化を遅らせる

等があります。

肥満、ストレス、血管の老化は高血圧の要因です。
定期的な運動はこれらを妨げて、高血圧の予防になります。