漫画 OUT~アウト~ の見どころ ネタバレあります

漫画

漫画OUTの紹介です。

 

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不良少年が更生を誓いながらも、暴れてしまう物語。そこに友情、笑い、裏切り、苦悩が描かれている。恋愛は少なめで硬派。序盤は明るいのだが、登場人物達が傷つき、時には死んでゆく。不良にならざるを得なかった少年たちの悲惨な境遇も描写している。不遇な少年たちがそれぞれの立場で殴り合い、殺し合っていく。面白い漫画ではあるが、考えさせられる部分もある。

OUTのあらすじ(ネタバレ)

独房と思しき部屋。
そこで、悶ながら鶴を折る少年。
響き渡る鈍い物音と慌てる看守たち。

一転して半年後の関東某所。
出所したての主人公「井口達也」が誰かを待っている。

その間に思い出すのは少年院に入った理由・・・
それは地元暴走族のメンバーとして警察と乱闘をしたためだ。

しばらくして現れたのは保護司の中年男性。
一癖ありそうなその男と向かった先は、
焼肉店を営む井口の叔母の店だった。

今後はこの店で働きながら、保護司に近況を報告する。
更生生活がスタートしたのだ。
もし問題を起こして保護司に見つかれば、少年院へ逆戻りとなる。

新しい街での新しい生活が始まり、健全な社会復帰ができるかもと期待していたのだが・・・
ふと立ち寄ったコンビニの駐車場で、地元の不良と揉めてしまう。

『この辺でワビ入れて引いとけ』
『もう年少はゴメンだろ!?』
『ダメだ ワビ入れんのだきゃゼッテー無理だ・・・』

揉めている最中も心の名では葛藤が渦を巻いている。
そんな中、反射的に相手を殴ってしまう。
強烈なパンチが入ったのに、そいつは倒れない。
お互いが強敵だと直感する。
その後壮絶な殴り合いが始まるのだが、いつしか認め合う仲になってゆく。
この出会いが、井口を暴走族「斬人」へと近づかせる。
そして、好むと好まざるとにかかわらず「斬人」と他のチームとの抗争に巻き込まれる。

OUTの魅力

この漫画の魅力はたくさんありますが、ぼくが惹きつけられたのは以下の点です。

・迫力満点の喧嘩シーン

超人やモンスターが戦う漫画のように派手な必殺技や大爆発があるわけではないが、リアルな喧嘩シーンが満載だ。
骨の折れ具合など痛々しいほど迫力がある。

・主人公の心理描写

「暴力イコール悪」という一般常識の外側で生きている主人公たち。
そんな彼らでも様々なもので縛られている。
逮捕への恐怖、チームの掟、友情、義理・・・
それらによって板挟みになったときにどうするのか。
正解はない、が結論を出すまでの悩みや心理描写がよく描かれている。
自分ならこうする等、考えてしまう。

・「斬人」の抗争と謎

序盤では主人公を中心に物語が展開していくが、徐々に「斬人」の抗争がメインテーマになっていく。
現在の抗争とその原因となった過去の大抗争。
物語が進むにつれて、過去の抗争やエピソードが明らかになっていく。
それによって現在の抗争に至るまでの道程に説得力が増す。
過去が断片的に描かれるので、謎が謎を生むような仕掛けになっている。
これが、読む者の興味を続かせて飽きさせない。

・個性的な登場人物

面白い漫画は主人公だけでなく脇役たちも魅力的だ。
この「OUT」では脇役たちの活躍にも重点が置かれている。
特に中盤以降は主人公の登場がめっきり減ってしまう。
その分脇役たちの活躍やエピソードが丹念に描かれている。

感想

この漫画のタイトルは英語の「OUT」です。
ところが第一巻の11ページでは井口の心の声としてカタカナ表記で「アウト」を使っている。
何故なのか?
この場面では少年院に戻ることを「アウト」と表現しているに過ぎない。
ではタイトルの「OUT」とは何を意味しているのか。

英語のOUTは日常的に用いる動詞と結びついて様々な意味をもつ熟語を形成しする。
が、その元々の意味は「内から外」になる。
内と外は境界で区切られている。
家の場合は玄関や壁がそれにあたる。
玄関から外に出ることが「OUT」になり、逆が「IN」だ。

このタイトルの「OUT」における境界は何なのだろう。
推測してみた。

第1巻の96、97ページにはこのような記述がある。

そして当然
ルールの外にも
また
ルールは
存在する

秋田書店 OUT 1巻より引用

ここで言う1つ目のルールは「世の中のルール」、法律や常識を指している。
2つ目のルールは不良少年たちのルールである。

ぼくたちは普段何重ものルールの中で生きている。
日本で生活していれば日本の法律。
東京都民なら東京都の条例。
その他にも、校則、社則、地域社会の常識、家庭内の決まりごと・・・
そして、自分自身に課したルール。

第6巻の121ページのセリフから引用すると。

世の中のルールに従えない者は
自分自身のルールに従わなければならない

秋田書店 OUT 6巻より引用

他律的なルールと自律的なルール。
それらを境界とし「OUT」にいる者と「IN」にいる者。
そして、「IN」から「OUT」に向かう者とその葛藤と恐怖。

そんな不良少年たちの生き方を垣間見せてくれる漫画だ。

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