転生したらスライムだった件1巻をebookjapanで試し読み
漫画「転生したらスライムだった件」が面白いのは少年漫画の王道だからでしょう。「友情、成長、勝利」が満載で老若男女が楽しめる内容だ。魔物がいる異世界という設定に興味があれば、読んで損はない。次々と襲い来る魔物の襲来を仲間とともに打ち勝ってゆく。
あらすじ(ネタバレあり)
登場人物
リムル サラリーマン三上が通り魔に刺されて異世界に転生したスライム
ヴェルドラ 勇者に封印されたドラゴン、リムルと盟友になる
第一話「死亡~そして転生」
大手ゼネコンに勤務する「三上悟」は37歳独身男性である。
ある日、職場の後輩から結婚の相談を受けるために外出した。
そこで偶然にも通り魔に刺されてしまう。
意識が薄れていく中で自らの死を受け入れるのだが。
再び気がついたときには、視覚、聴覚、嗅覚が失われていた。
残りの感覚を総動員して自己を認識したところ、何と!
スライムになっていたのだ。
しかも、魔物が棲む異世界へと転生していた。
転生した場所はどうやら大きな洞窟のようだ。
そこで一匹のドラゴンと出会う。
勇者によって封印された暴風竜ヴェルドラである。
ヴェルドラのおかげで視覚と聴覚を獲得し、また「リムル」という名をもらった。
第二話「ゴブリン村の守護者」
転生したときに特殊な能力「スキル」をいくつか獲得していた。
その一つである「捕食者」は喰らった魔物の能力や姿を自分のものにできる。
洞窟の中では数々の魔物に襲われたが、なんとか撃退し、捕食していった。
そのため、洞窟を出る頃には強力な魔物になっていたのだ。
洞窟を出ると、そこは木々が生い茂る森の中。
森を探索していると武装したゴブリンの集団に出会う。
ゴブリンたちはリムルの強力な気配を前もって察知し、警戒に来たのだった。
互いに敵意がないことがわかり、ゴブリンの村に招待されたリムル。
そこで村長から村の窮状を聞かされる。
強力な魔物の牙狼族から狙われているというのだ。
圧倒的な戦力差に絶望していたところ、リムルと出会ったのだった。
牙狼族との戦いに協力を懇願され、引き受けることにし、
その代わりにゴブリンたちを下僕とすることになった。
「転生したらスライムだった件」の魅力
主人公の明るさ
この漫画には悲壮感があまりない。
主人公の三上悟=リムルからは常に淡々とした雰囲気が伝わってくる。
どんなピンチに陥っても「ま、なんとかなるでしょ」みたいな心構えで対処していき、結果成功してしまう。
また、どんなに恐ろしい魔物が相手でもタメ口で馴れ馴れしく接するうちに友だちになってしまう。
おかげで、リムルの周りには彼を慕う者たちで溢れているのだ。
他者との絆~友情、忠誠心
とにかく仲間や配下になった人や魔物から慕われ、その絆が強い。
典型的な少年漫画のテーマである「友情」を強く感じる漫画である。
特に配下になった者たちの忠誠心がすごい。
不満を持つ者はいないし、リムルが馬鹿にされたりすると本気で怒りだす。
ちょと大げさすぎるようにも感じるが、仲間同士の絆の強さを美しく描いている。
転生ものという比較的新しいジャンルにもかかわらず、昔の少年漫画を思い起こさせてくれる。
どんどん強くなる主人公たちと発展する村
転生したときに得た「捕食者」というスキルを使って、戦った魔物の能力を獲得できるので、どんどん強くなっていくことができる。
なので、弱小なスライムにも関わらず、第二話ではもうかなりの強者になっている。
その後もどんどん強くなっていく。
「ドラゴンボール」の悟空や「鬼滅の刃」の炭治郎が厳しい修行により強くなるのに比べて、簡単に進化してしまう。
これを爽快と感じるか、荒唐無稽と感じるかで評価は分かれそう。
ただ、共感できるキャラが成長していくのは楽しいのだ。
同様にリムルたちが暮らす村も発展していく。
最初は森の中の小さな集落だったのだが、国外から技術者を招いて、立派な街になる。
そして都市となり、国になる。
また、敵であった者へも寛大なので続々と仲間も増えていく。
この辺りも、シミュレーションゲームで町づくりをしているような楽しみがある。
感想
転生、異世界漫画として大ヒットしているが、設定や舞台は違えども「友情、成長」をテーマにした王道ものだ。
リムル自身は淡々としているのだが、厄介事が次々にやってくる。
それを克服するたびに成長していく。
そして友情も高まり、仲間も増え、街も発展する。
ストレスが少ないので、気軽に読めるのだ。
同じ異世界ものでも「進撃の巨人」などは多少ストレスを感じてしまう。
もちろん、どちらが優れているという話ではなく、「進撃の巨人」の緊張感も素晴らしい。
また、本作中には様々な種類の魔物が出てくる。
ドラゴン、悪魔、スライムくらいは分かるのだが、
ドワーフ、エルフ、ゴブリンって何?
となってしまった。
でも、問題なく読み進められるので、心配はいらない。