漫画 ビリオネアガールの魅力とネタバレ

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ビリオネアガール1巻をebookjapanで試し読み

漫画ビリオネアガールはデイトレで巨万の富を築いた少女のサクセスストーリーではなく、成功者のように見えても自分に自信のない少女の成長と初恋の物語。

あらすじ(ネタバレあり)

第一話

薄暗い部屋でせわしなくパソコンを操作する少女。
一段落したところで、約束があったことに気づき急いで外出していく。

場所は変わって某大学でバイトを探す男子学生。
彼の名は「高遠恵」、平凡で退屈な大学生との自己評価だ。

叔父でもある同大学の教授に呼ばれて、彼の部屋へ行くとバイトを紹介したいという。
良いタイミングなのだが、叔父に対する不信感が以前からあるので、戸惑っている。

バイトの内容は数学の家庭教師とのことだ。
そして時給1万円と聞いて、更に不信感が募る。

そんな高遠の考えなどお構いなく、教授は教え子となる女性を紹介しさっさと授業へ行ってしまう。
教え子は「藤岡紫」というちょっと変わった少女だった。

しばらくして、1回めの家庭教師に赴くことになった。
場所は彼女の家なのだが、そびえ立つようなタワーマンションに一人で住んでいる。

そつなく数学を教え終わって帰ろうとしたときに、少女からある依頼をされる。
友人には大学生と偽っているため、話を合わせるために大学生活を教えてほしいとのこと。

なぜ、そんな嘘をついているのかというと、彼女は現在の職業にコンプレックスを持っているのだ。
彼女は総資産170億円の凄腕デイトレーダーだった。

でも、彼女自身はデイトレーダーは引きこもりのようなもので、恥ずかしいと感じている。
しかも、100億を超える資産を運用していると知られれると、普通の友情は築けないと思っていた。
そんな寂しさを感じ取った高遠は彼女を助けることにした。

第二話

大学生活を知りたい藤岡は高遠に協力してもらい一緒に経済学の講義に参加してみる。

講義の後、藤岡は教授の教え方に対する不満を高遠に話すのだが、
会話は大学基金運用から株へと移っていき、藤岡は夢中になって株の話をしてしまう。

相手を置き去りにして話していることに気づき、恥ずかしくなり謝る藤岡。
それに対して高遠は、夢中になれることがあるのは素晴らしいと言う。

その後大学内の各サークルを見学した。
大学の雰囲気を肌で感じた藤岡は友人に対して大学生を演じることに自身を持つことができた。

ビリオネアガールの魅力

恋愛未経験者どうしの恋

恋愛感情は認識するのが難しいものだ。
特に初恋では。

この作品では二人の恋愛未経験者がお互いに惹かれ合っていく過程を描いている。
高遠は最初、藤岡の寂しさに同情し、助けてあげたいという同情心からスタートする。

一方、藤岡は、これまで恥ずかしくて言えなかったオタク気質やお金持ちであることを高遠が自然に受け入れてくれたことで親近感を抱く。

友人はいるが、恋愛とは縁遠かった高藤。
友人がいなく、人付き合いが苦手な藤岡。

関わり合っていく中でお互いへの敬意と信頼が増してゆく。
そこから「恋愛」へと変化していく過程が面白い。

いわゆる「ムズキュン」ものである。
また、恋愛を通して、「自分」とは何かを模索している。
ただし、重苦しくはない。

10代の大金持ち

タイトルはビリオネアガールです。

そもそも、ビリオネアとは英語の「ビリオン」つまり「10億」から派生した単語で、その国の通貨で10億以上を所有する超お金持ちのこと。
アメリカでは10億ドルなので、日本円に換算すると1100億円になる(1ドル110円として)。

日本では10億円以上ということになる。
まあ、単に「超富裕層」と言う意味で使われることが多い。

で、ガールは少女の意味だが、一般的には18歳以下の女性を指す。
主人公の藤岡は18歳で金融資産170億円なので、ビリオネアガールになるのだろう。

デイトレードでそれだけの資産を築いたのだが、トレードに関しては詳しく紹介されない。
「インベスターZ」のような投資をメインにした話ではなく、思春期の成長と恋愛が中心になっている。

様々な手法を駆使して資産を増やしていくストーリーではなく、第一話からすでに170億円を所持している。
ただ、オタクなのでその資産を投資と最低限の生活費にしか使っていない。

価値観の構築

お金持ちだが地味な少女と平凡な大学生の交流をコミカルに描いている。
お互いをよく知ろうと努める中で様々な葛藤が生じ、自身の考え方や物の見方が変化してゆく。

感想

恋愛経験のない男女がそれぞれの恋心に気づいてゆく物語。
相手の持つ莫大な財産、立場や境遇、それらから生じる偏見。

そんなものを受け入れてなお存在する想い。
それをどのように定義し、行動するのか。
自分自身の変化を許容するのが若さなのかなと思った。

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